参考文献管理

個人ブログツール
🖊 2025/12/09

はじめに

こんにちは。気合を入れるためにスタバでスモアラテを飲みながらこの文章を書いているiGEM Sciecne Tokyoのぶっちです。文章を書き始める前にもう半分くらい飲んでしまいました。これめっちゃおいしい😋。今年度のiGEMは日本チームが全員Goldメダルを獲得できたというめでたい年となりました。うちのチームはもう少し上を目指したかったのですが、とりあえずGoldメダルが取れて一安心といったところです。

さて本題です。私は去年wikiを書いている途中に非常に苦しんでいたことがあります。それは参考文献の引用整理です。昨年度のiGEM Tokyo Techでは参考文献の管理が結構甘くwikiを書くときに非常に苦労しました。当時2年生の私はそのあたりの雑用をやっていたのですが昔見た参考文献がどこに行ったか分からなくなってNotionをあさったり、文章を修正するたびに参考文献の番号がずれて一から順番を手動で直さないといけなかったりマジで時間のロスがヤバかったです。なので今年度はチームメンバーやOBOGの助けを借りながら「ぼくのかんがえたさいきょうのiGEM用参考文献管理」を作ってみたので紹介します。他のチームもそれぞれのやり方を確立していると思いますが、参考程度にご覧ください。

具体的に言うとうちのチームが情報管理に使用しているNotion+Googledriveと相性の良かったZoteroを使ったシステムです。

参考資料

Zotero×OneDrive×Notionで最強の論文管理ソフトを作成しよう Zotero・Notion・NotebookLMを使った論文理解と管理方法

このあたりを参考にしてます。

今執筆時に見たら新しい記事も増えてたんで参考までに添付します。

Zotero7(Windows11)+GoogleDrive+Zotmoov+iPadによる論文管理

このシステムのメリット

  1. チーム全体で資料をタグつけて管理することができる

Zoteroのメインの機能はこの文献管理システムです。

チームで複数の文献をタグごとに分別するのでどの文献がどのパートに関するものかが一目で見分けやすくなっています。タグを活用したAND,OR,NOT検索もできるので有能です。

  1. 文献が簡単に登録できる、メモが残しやすい

デフォルトの機能で、DOIのリンクやPMIDを直接入力することで登録することができます。

複数のDOIを同時に入力することもできるので一気に複数の文献を登録することができて便利。

他にもブラウザの拡張機能で、今ウエブサイトで開いている論文をワンクリックで登録することができます。これがめちゃくちゃ便利。

さらに登録した文献はZoteroからサイトに飛ぶことができ、ダウンロードしたPDFにマークアップや書き込みもでき、さらにはメモもつけることができる。拡張機能を駆使すれば選択したところを翻訳して読んだり、AIとつなげて論文のまとめを作ることができる(ここまではあんまりやらなくてもいいと思うけど)。

これらをうまく駆使すれば「あれ、この論文なんのだっけ?」みたいなことは確実に減らすことができます。

さらに手動入力にはなってしまうのですが、書籍や論文以外のWebサイト(他のチームのwikiなど)も登録することができます。

  1. wikiを書くときにタグ引用ができる

これが一番のこのシステムを頑張って作った理由です。上記画像のCitation keyを設定し、文中に入れれば勝手に番号が整理され、登場した順にReferenceが作成されます。いちいちReferenceを作ったり並び替えたりする必要がなくなります。

以下はうちのwikiのDescriptionの一部です。「gearry2016」とか「ananthakrishnan2018」とかがCitation keyですね。ほんとはCitation keyを書くだけで引用を作りたかったのですがそこまではできず…wikiを書くときはひたすらCitation keyをコピペしてました。

これがあるだけで引用の順番を気にしないでwikiをかけるようになったので少しやりやすさが上がったように感じています。

[1][2]のようにクリックしたら下のReferenceに飛ぶようになる。

Zoteroのセットアップ

基本的にはこの参考資料と一緒なのですが、自分がダウンロードするときにどのような設定をしたかを載せていきます。

1. Zoteroのダウンロード

Zoteroのホームぺージから Log In → Register for a free accountで新規会員登録

ダウンロード設定はStandardで問題なし

会員登録が終わったら Download からそれぞれのOS用のZoteroをダウンロード

右側のブラウザとの連携は各設定が終わったらダウンロードして使ってみて下さい

2. Zoteroの初期設定

ここが参考資料と違うところになります。チームで参考資料を管理したいのでZoteroのグループ機能を使います。

詳しくは公式の説明を見てもらいたいのですが、これを使うことによって複数人でZoteroの文献を同期することができます。チーム作業が多いiGEMにこれがぴったりです。

グループの作り方

以下ページから名前を設定し(うちはiGEM Sciecne Tokyoにしました、後から気づいたけど多分年度ごとに分けた方がいい)、グループタイプを選択(なんでもいい)。

グループを作ったらManage Membersから他の人のアカウントに紐づいているメアドに招待を送信することでチーム全体が使えるようになります。

その状態でアプリにログインすると以下のようにグループのライブラリっていうのが完成すると思います。ここにみんなで参考文献をためていく感じになります。

ダウンロードしたらさっき登録したアカウントでログインしてEdit→Settingで初期設定をします。

あとはこの参考資料と同じように初期設定をすればいいのですが一応自分の設定を載せておきます。

参考資料と違うのは言語設定が日本語なことくらい…?

ちなみにPDF書類を開くというのをZoteroではなく普段使っているPDFエディタに変更することができます(Crome, Edge, Adobeなど)。そっちを使い慣れている人はそっちを開くって設定してもいいんですけどZoteroのエディタが優秀で拡張性が高いのでエディタはZoteroをおすすめします。

同期はちゃんとグループのライブラリも同期することを忘れずに。

詳細の基本ディレクトリはチームのグーグルドライブに紐づけています。ZotMoovも同様。

あとはほとんどデフォルトのままだった気がする。

Notionとの連携

このあたりでスタバを出て家でご飯を食べながら執筆してます。これ思ったより時間かかりそうって思ってきました。

Noteroというプラグインを使います。この参考資料から設定方法が変わっていそうだったので記載します。

はじめに

Notionに論文管理をするための空リストを先に用意しておいてください。

  1. Noteroをダウンロード後、設定からConnect to Notionを選択

  1. Noteroへの権限を許可(自分はすでにされていた)

  1. Noteroに共有するページを選択する

  1. 先に作っておいたリストを検索して選択する

  1. 指示に従ってZoteroを開く

    これで共有完了です。

これでNotionのリストに文献情報が共有できました。プロパティの選択で好きに表を作ることができます。

文献を実際に管理してみる

文献の登録方法は先程振れた通り、DOIを入力するかブラウザの拡張機能を使うかの2択です。

DOIの登録方法はいいとしてブラウザの拡張機能についての説明をします。

拡張機能のサイト から拡張機能をダウンロードしてアカウントにログインした後、拡張機能をピン止めすれば大丈夫です。

文献を登録出来たら登録した文献を選択し、タグを追加します。

タグは同じ意味のを複数作らない限りは好きなだけ作ってもいいと思います。

ちなみにnotionというタグはNotion に同期済みの文献に勝手につくやつなので気にしなくていいです。

さらに左下のタグを選択すると簡易的なAND検索ができます。

また、高度な検索を使うとAND、OR、NOT検索ができるのでタグをつけ忘れている文献を探した理ができます。

最後に文献を選択して(Ctrl + Aで全体選択するのが楽)Sync to Notionを選ぶことでNotionに同期することができます。

Wikiへの引用を楽に

Better BibTeXの導入

Better BibTeXの公式サイトから導入したあとに以下スクショのように設定します。(以下はデフォルト)

ここのCitation keyの設定を変えることでCitation keyを好きにいじることができます。

自分のおすすめは「auth.lower + year」で筆頭著者+発行年度にすることです。

他にもテキストを入力したりまあまあの拡張性があるのでCitation keyの設定方法を見ながら使いやすいようにいじってみてください。

Wikiの引用

最初に少し説明したように以下のように文章を打てば勝手に引用が作成されるようにしました。

以下はチーム内の説明用の資料です。

[1][2]のようにクリックしたら下のReferenceに飛ぶようになる。

実装について

多分いろいろなやり方があると思うのですが、うちはこうでしたってのを紹介します。

参考文献管理のリストをフルページで表示するとCSVでエクスポートすることができます。

その中のFull Citationの項目がバンクーバー式になっているはずです。

それを以下のリンクのコードを使って移します。

https://github.com/iGEM-TokyoTech/bibTex-conversion

そうするとbibファイルになるので扱いやすくなります。ちなみにZoteroの拡張機能でbibでファイルをダウンロードする方法もあるのでそっちでもいいと思う。

これらをすれば一通りのやりたいことができるようになります。Zoteroは拡張機能を入れることによるカスタマイズ性が非常に高いので自分なりの使い方を模索してみるのもいいと思います。

おまけ

上の内容とは直接関係ないけど自分が活用している拡張機能を紹介します。

Translate

GeminiやChat GptなどさまざまなLLMのAPIを活用してZotero内のPDFエディタで選択した文を英訳してくれる拡張機能です。少しの利用ならGeminiのAPIを使って無料でできるのでZoteroに取り込んだPDFにメモりたい人は便利かも

Papers Gpt

さまざまなLLMとつないで論文に関する質問に答えてくれたり、ボタン選択で様々なまとめを作ってくれます。このまとめはZotero内部のNotesにも書けるのでZoteroで論文の内容をまとめておきたい人は便利。

でもまあ普通にNotebook LLMとか使った方が使いやすいかもしれない。

Better Notes

ZoteroのNotes機能

ZoteroのNotesはテキストのみだけだったのがMark downが使えるようになりメモがより取りやすくなる機能

Zotero→Notionの同期はできるがNotion→Zoteroの同期はできないのでできる限りZoteroでメモなどを完結させたい場合は需要があるかも

ちなみにNotesはNotionの本文部分に記載される。

アプリ版について

iPadやスマホでもZoteroを使うことができる。iPadとか入れておけば外でも論文を見れるしペンを使って書き込むことができるので手書きでメモりたい場合は便利。Notionにも気軽に飛べるのでスマホやiPadでNotionを使っている人は使いやすいかも。しかし同期設定をうまくしないと見れないのでめんどくさい。個人的にはまあやらなくてもいいかなくらい。

ここまで書いてたら深夜2時30分になってしまいました。そろそろ寝ようと思います。何かわからないことがあればJapancomunittyでもなんでもいいので連絡してくれれば答えられることは答えます。