iGEM ScienceTokyo 一年振り返り
始めに
東京科学大学生命理工学系2年の西村侑馬です。私は2025の年のiGEM Science TokyoにてDry, Wikiの一部を主に担当していました。また、肩書はないですが私の世代(2年生)を積極的に動かす立場にもあったと思います、具体的なことは後程書かせていただきます。現在は運営的ポジションとしてサークルを動かせていただいてます。今回のブログにはiGEM Science Tokyo 2025として活動した振り返りを書かせていただきます。文章中で分かりずらい点などあるかと思いますが、分からないところはあまり気にせず、楽な気持ちで読んでいただきたいです。(私自身も楽な気持ちで書いているので)記事のサムネイルは現在の部室の棚の様子です。
注意点
本記事はそのほとんどが私個人の意見ですので、何かを代表して書いているものではございません。また、私の振り返りはiGEM Science Tokyoとしての意見を言う個所がありますが、他のiGEM Teamに対して、またはiGEMの大会に対して意見するようなものではございませんのでご理解ください。
iGEM Science Tokyo 2025の体制
iGEM Science Tokyoの特性
今年のiGEM Science Tokyoの話をする前にまず、iGEM Science Tokyoの特性(制限)について理解していただきたいです。東京科学大学の生命理工学系では、2年生に必修の実験が年間を通して存在します。この実験は基本的に二回以上欠席すると単位を落とします。つまり、授業期間に行われるiGEMに出場することができるのは生命理工学院のメンバーに限った話ではありますが、1年生または3年生になります。iGEM Science Tokyoはほとんどのメンバーが生命理工で構成されているため、例年3年生がプロジェクトをメインで動かし、大会に出場する形となっています。
iGEM Science Tokyo 2025の体制
iGEM Science Tokyo 2025は2024年の11月ごろに2025年のiGEMに出場することを決め、同時に年間スケジュールを決定しました。この時、特筆すべき点として現3年生と2年生が独立してプロジェクトをもち、3年生は2025年の大会に、2年生は2026年の大会に向けて始動したということです。この体制は2024年度の振り返りとして「実験期間が不足していた」という点が挙げられたことに起因します。その改善策として、2年生が早期から案だしを行い、2025年の11月頃には本格的な実験に入ることができるよう、長期的な計画を立てました。
結論から申し上げると、この体制はうまくいきませんでした。原因は様々ありますが、2年生だけでサークルを回すのがうまくいかなかったのが根本的な原因だと現在は考えています。うまくいかなかった原因は、以下の二つがあると考えました。
1. 話し合いの時間が少なかった。
2. サークルに対する熱意の違い
今年度の振り返り
話し合いの時間が少なかった
私たちはiGEMが1年という短い時間の中で多くのことをしなければならない以上、これから行うことが本当に必要なのか、何のためにやるのか意思統一のないままに始めてしまうことが多かったです。その結果、参加者の熱意に差が生まれてしまうという事態に陥ってしまうことが多くありました。2年生も論文読みや案だし会など行いましたが、結局熱意のある人しか集まらないということになりました。論文読みは二年生だけで始動していくというタイミングで最初に行ったことで、基礎的な知識をつけるために、先輩が選んだ基礎的な論文の読み合わせをしようという試みのもと始まったものでした。
この時、私は「みんなで話し合って決めたことなのに熱もって取り組まないのは何故なんだ」と思っていたのを覚えています。確かに、論文読みを行うことは3年生も含めて話し合った結果決まったことであり、みんなの意思によって決められたものだと覚えています。(これは自分が主導で決めたものではなく、むしろ自分は当初否定的な意見を持っていたが、多数派でそれに決まったためみんなの意見として認識していたと記憶しています)ですが、その話し合いでは最終的にどうなっていたいのかという目標があまり話し合われておらず、論文を読めばある程度案を練ることのできる基礎知識がつくだろうという認識で進められました。しかし、論文を読んだことで知識は固まらず、むしろ知識は広がる方向に行くような感覚がありました。
また、当時論文読みをするにあたって基礎知識は自力で補うというルールがありましたが、論文テーマ周辺の基礎知識を勉強するというよりは、前提知識について少し調べる程度で、知識が増えていく感覚はあっても知識がつながる感覚はなかったと思います。個人的にこれは自分を焦らせるもので、あまりいいものではなかったと考えています。なぜなら、新しい知識ばかりが増えていくと知識の応用が利かなくなります。また、勉強の方向性が新しい知識をもっと多く獲得する方向へと進んでしまい、本来の勉強の楽しさを失ってしまうと思うからです。
少し話がそれましたが、私が学んだことは最終的にどうなりたいのかを話し合い、そこを統一させてから逆算的に様々なことを決めていくべきということです。最終的な目標を意思統一せずにいると、自分たちが現段階でどの位置にいるか分からず、無駄な焦りを生みます。生みました。メンバー間で危機感に差ができてしまいます。できました。
サークルに対する熱意の違い
iGEM Science Tokyoはあくまでサークルなため、人によってその熱意はバラバラですし、その大多数は生物系の勉強、研究をしてみたいとい軽い気持ちで入ってきます。(実際私もそうでした)入った当初は全員が同じような熱量で取り組むのですが、期間が経つにつれて熱量が減っていきます。これはiGEMを活動している2, 3年生が忙しく、新入生教育の優先順位が下がりまともに教育が行われないことに起因します。これをどう解決するかは正直分かりません。東京科学大学は現時点で生物を習って入ってくる学生が少ないため、本来教育は丁寧に行った方がいいもののどう教育すればいいのか現時点で正解が分からないため、今後も何かいい形に落ち着くまで試行錯誤を繰り替えすしかないのかなと思います。
しかし、ここで考えなければいけないのはサークルに対して熱意がない人をどうするのかです。ここでいう熱意がない人は任意参加(一応任意という形式だが、ほんとは全員に出てもらいたい)のイベントに出ない人や、連絡を返さない人、自主性が全くない人と要するに関わろうとしてこない人とします。私としてはそのような人に構うのはいろいろな意味で苦しかったです。
そのため、そのような人材が本当に必要だったのかやそのような人に熱意を持ってもらうにはどうすればいいか、真剣に考えたり話しあったりするべきだったと思います。その過程を飛ばしてその場だけの対処をし続けたというのは怠慢だったと反省しております。運営をある程度行っている以上、どうしたいかは自分の裁量である程度決められる部分がありますから、自分が何をしたいのかを考えてそのためにはこの人にどのように動いてもらいたいのかを自分で考えるなり、話し合ったりすべきというのは学んだことでした。
総括
今年度、iGEM Science Tokyoのメンバーとして活動してきた自分が学んだことは、最終的な在り方を自分で決めたり、話し合ったりする時間を必ず確保するべきということです。この過程を飛ばした先は土台がしっかりせず、目的があやふやな時間を過ごすことになります。なりました。
また、個人的な話で総括に新しい要素を持ち込んできてしまって申し訳ないのですが、熱意の押し付けをしてはならないということも学びました。先ほども少し触れましたが、「この人はこう言っていたから、こうしてくれるはずである」や「この人はこうすべきである」などの熱意を押し付けて勝手に自分がいらいらすることが今年度は多々ありました。メンバーには非常に申し訳なかったです。人に熱意を押し付けてもいいことはないので、その人と話し合い、推測ではなく本人のことをよく知るべきでした。グループ活動をするうえで人とのコミュニケーションを避けていいことはないということを学びました。
今後について
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。長々と申し訳なかったですが、iGEMを通して学べたことがあったから良かったねという前向きな捉え方をしてほしいです。また、アドベントカレンダーの掲載が一日遅れてしまったことをお詫びさせていただきます。
今後につきましては2026のiGEMに出場するかどうかも検討中なため、まだはっきりとしたことは言えません。何も決まっておらず申し訳ないのですが、決まり次第またブログなどで発信させていただきます。最後まで読んでくださりありがとうございました。